回る回る妖精の輪 光る光る蜘蛛の糸 飛べよ飛べよ蛍の子 踊れ踊れ時を止めて 輪の外は朝 輪の内は夜 いついつ出やる? 明けない夜が明ける時[精霊に呼びかける呪文とは違うそれは、エルフの古い詩だった。掲げた手の間から、森の妖精の力が溢れ出し、広がっていく。淡く光る粒のようなそれは影の魔神の周囲を覆い、蛍のように熱のない光を投げかける。森を荒らすものを"影無き光"で包み込み、内から外へ魔力が放たれるのを阻害する、森妖精の秘儀だった。]