[部屋へ引き上げる途中、名前を呼ばれて慌てて振り向いた>>56ゲルトの姿を認め、あわあわと逃げようとしたけど、腕を掴まれ抱き寄せられた。]ど、どうした、の?[何を言われるか、怖いのがちょっぴりありつつ、変な期待を結構抱えてゲルトの顔を窺った。]……え?[耳元で聞こえた言葉を反芻した。しても、分からない。]それ、どう言う意味?[笑い声でさらりと逃げられ、それ以上追いすがる事もできなかった。もやもやとしたまま、ゲルトの言葉だけがぐるぐると頭の中を回っていた。]