― 天獄の回廊 ―[下ろせ、歩ける、と掠れた声で抗議するも、返ってきたのは食べ物の話だった。こちらが対話を避けている意趣返しというより、この堕天使は目先の関心事しか取り合わないのだろう。そういう性格も掴めてきた。なお下りようとすれば、関節を極められ、抵抗を封じられる。引き攣るような痛みを飲み込みながら、筋を違えても下りてやる、と上体を捻ったが、いかんせん、体力が枯渇していた。]