人狼物語−薔薇の下国

184 吸血鬼の共存試験


  コンラート

[脱衣所を兼ねた控え室には、以前ディークが身に着けていた護衛兵の戦闘服に似た衣服が、下着もあわせて一揃い、コンラートの命で既に用意されている。
目測したサイズにあわせて仕立て直したそれは、その方が彼の記憶にも馴染みやすいと判断してのこと。


体を拭き、服を身に着けなければならない幼子と違い、コンラートには身支度は必要なかった。
手伝いを断って、ひとりで上下を広げてはいちいち黙考する幼子>>122を微笑ましく眺め、自身の肉体を衣服を含めて、構成要素である蝶の群れに分解させた。

足先から形を失い、舞い立つ黒蝶に変じては、虚空に溶けるように消えてゆく。
最後にバシャリと水をぶちまける音がして、衣服が吸い込んでいた水分が床に水溜りを作って残る。

一匹だけ、飛び立つのに失敗したか、水溜りに嵌ってぱたぱたともがいていたが、やがてはそれも輪郭を揺らがせ、ほろり崩れて消えた。*]

(137) 2014/05/05(Mon) 11:59:45

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