[軍学校の催しに幾度か来賓として来たことがあるから、生前のクレステッド皇子とは面識がある。かつての凛々しい挙止すらそのまま残すトヒガタから投げかけられた質問に、ディークは上官を探す素振りで視線を反らしたが、周りの幾人かは素直に禿頭を指差して教えた。] ──…、[魔王の側近たるヒトガタが何をしに来たかと警戒して、ディークはすぐにマーティンを護れるよう身構える。]