……試練に参加して、思ったんです。
わたしのお母さん、わたしが物心ついてから鷹取と結婚するまで、ずっと一人でわたしを育ててきた。
誰かに頼ってるところなんて見た事なかった。
お母さんもきっと、昔なにかあって、わたしみたいに助けてって言うことをを諦めて……
お金に縋るしかなくなっちゃったのかも、って……。
だからわたしも……縋った手を払われて、一度は諦めたけど……
[掻い摘んで話すのは、母のこと。
思い当たるものは、自分と同じ“身近な人間からの拒絶”。
母の昔を知らない少女には、それがいつ、誰によってのものかまでには思い至らないけれど。
もう一度だけ母に手を伸ばしてみる、と、そう告げた。]