[誰であれ排除することを許す、とテオドールは言った。元より、今、この場所にあれだけの魔法を行使する者が何の目的もなく居るはずがない。] いま黒き天鵞絨の にほひ、ゆめ、その感触…縺れたゆたい わかき日のその夢の香の腐蝕、静こころなし。[小手調べではなく、いきなり呪縛魔法を使うことにした。触媒の薬包を破って印を結ぶ。こちらの詠唱が早いか、相手が気づいて動くのが早いか──**]