間諜である可能性も捨て切れませんでした。
ラムスドルフ少佐は勘違いと言われましたが、フラウ=クスで奪回される時に違和感があったのが一つ。
公国側の動きも的確すぎたことが一つ。
フラウ=クスのような大掛かりな仕掛けを直接目にしながら、あまりにも怯みが少なかった。シロウ=ファーイーストが作戦概略を伝えただけでは、あそこまでの統率は取れなかろうと思われます。故に、他にも工兵関係の中に間諜の存在が疑われました。
また通信機の会話が一方的であったのが一つ。
技術の供与を目的とした奪取であればそうも粗略に扱いはしないでしょう。なのに聞こえてきたのはこちらを焦らせようとするような会話の断片。与えられる情報が少なければ、罠の可能性を考えても行かざるを得ない。