[…続く音なんて聞こえちゃいないし、聞いちゃいない。
意思に反して足は言うことを聞かず、身体は崩れ落ち、床へと叩きつけられたけれど、その痛みを感じるよりもどくどくと脈打つ心臓が――生命の泉が、青年の身体から命を外へと投げ捨てていく音の方がずっと痛くて五月蝿くて。
身体を包む液体は暖かいのに、身体はどんどん冷えていって、寒くて、鳴る音が五月蝿くて、痛くて、]
『 』
『 』
[ひゅうひゅうと喉を鳴らしながら、何事かを呟き]
ぼく は
[漸く音に成った言葉ひとつを最後に、
……青年の意識は白く塗り潰された。]*