― 回想・コインを受け取った日 ―
[紐を通されたコインを見て、少女は目を輝かせた。
コインが綺麗だったから、だけではない。
それよりも嬉しかったのは]
たからもの!コン兄と、キアラだけの!
[そんな特別をもらえたことが嬉しくて、紐を首にかけるとクルクルその場で回っていたが]
コン兄。おてて、どうしたの?
[傷だらけになっている少年の指を見て、ピタリと止まった。
とてて、と傍に戻り、そっと自分の手で挟みこむと]
いたいのいたいの、とんでけー!
[自分がよく母にやってもらうように、おまじないを口にして。
だいじょぶ?と、自分より背の高い少年の瞳を見上げた*]