……っ![落ちる勢いを生かした跳ね上げは、想定の外。右の腕に衝撃が走り、引き戻しきれぬ槍が浮いた]ちっ……やる、ねぇっ![左だけで支えるのは、態勢的に無理がある。ならば、と右足を上げて、自ら槍を上へと蹴り上げた。霧の晴れた空間の上、微かに覗く蒼に向けて漆黒と銀が舞う]っと![片足立ちの不安定姿勢で、正対する事の危険性など身に染みている。故に、直後に取るのは左で地を蹴り後ろへと跳ぶ事。着地した所に落ちる、銀と漆黒。それを手にするまでには少なからぬ空白の時間が生じていた。*]