[ 死に急ぐ男を叱るような、励ますような、力強い、― 声 ―
有り得ぬ距離と空間を超えて届いた、その声と、声の主が、男と部下と、沈む筈だった艦を、死の淵で踏みとどまらせた ]
生涯…忘れません!
[ やがて、危険を顧みず救援に駆けつけてくれたオルヴァル軍の艦艇からの援護も得て、死地からどうにか脱した後、男は誓った。
当時から、海兵の間では、稀代の英雄であると噂されていた、ゲオルグ・ヒューベンタール…祖国ウルケルの未来を担うに違いない、その人に、届かぬ筈の声が届き、そして繋がった声が男の命を救った事。
そして今も、その絆が繋がり続けている事。
それは、拾った命を彼の為にこそ使えという天啓に違いないと、15年を超えた今でも、男は揺るぎなく信じ続けている* ]