人狼物語−薔薇の下国

533 R【P】村2


司祭 ルートヴィヒ

― 夕暮れ前、教会 ―

[…は教会に戻ると外壁のチョークの走り書きを消し、誰もいない礼拝堂に入って扉を閉めると、深く息を吐いた。そして祭壇の前に膝をつき、十字を切って祈りを捧げる。]

天にましますわれらの父よ
われらが人に赦す如く
われらの罪を赦し給え

(折角の友人の好意を無下に扱って、何が「人に赦すが如く」だ。)

われらを試みに引き給わざれ
われらを悪より救い給え

(試みとは、悪とは一体何なのだ。私の先の振る舞いこそが悪ではないのか。)

誠にそうなりますようにアーメン

(神の、教会の示す方向が本当に在るべき姿なのか?妖精の支配のもとでも、皆さんが平和で幸せに生きることこそが在るべき世界なのでは?)

[祈りに集中できない。ふと側に投げ出した布袋から顔を出した書物『ロップイヤーの育て方』を手に取ると、…はパラパラとページをめくって流し読みをした。その何処にも、人語を解するウサギに関する記述はない。]

…ラヴィは、神の作り給うしウサギの在るべき姿ではないのか。

(グラスの底に葡萄酒に沈殿していた澱のように、心に溜まっていた疑念が、ステアしたグラスの葡萄酒同様に濁りを帯び始める。…は小さく、力なく首を小さく横に振ると、静かに立ち上がった。ステンドグラスから透ける日光は、すっかり夕暮れの赤味を帯びて弱くなっている。]

…鐘を、鳴らさなくてはなりません。そして夕の祈りに訪れる方々の為の準備も…。

[…はパンと書物の入った布袋を居住区の食卓に置くと、ケープを脱ぎ捨て鐘楼への階段をのろのろと登り始めた。]

(136) 2020/02/29(Sat) 23:11:45

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