[年を経て、体力の衰えは感じていた。それに加えて脇腹の傷、長らくは持つまい。だが、己の信念を護るため、長剣を握り振るうことだけは諦めなかった][数度打ち合わぬ内に馬上の影は地へと落ちる。それを見た近臣の兵が撤退の号を上げた。正規兵は散り散りに逃げ、独立解放軍は鬨の声を上げる][アルブレヒトの手から零れた長剣だけが、敵兵の只中でその声を聞いていた**]