人狼物語−薔薇の下国

381 四君子繚乱


雷華の僕 ルートヴィヒ

 狼…か…?

[姿を認めると同時に、帽子を抱えていた右手を、腰のサーベルへとやり、柄を握っていた。
しかし、その瞳を目にし、男はそのまま刃を抜かずに硬直する。

戦場において、肉食の獣は概して敵である。
基本的に、彼らは人の気配に近づかない。
人間とは武器を持っており、身が少ない割にリスクが大きいことを知っているからだ。
しかし、わざわざ近づいてくるのであれば、そこには何らかの理由がある。

戦場であれば、多くの場合、住処を荒らされ獲物を無くしたか、事故にしろ故意にしろ、子供が殺されたか、といったところである。
つまり、姿を見せる獣は、危険である。

しかし。
目の前の狼は、こちらをじっと金色のまなこで見つめ、ゆっくりと尾を振るのだ。]

(136) 2015/10/02(Fri) 13:49:33

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