人狼物語−薔薇の下国

263 修学旅行試験


高殿 幸久 フェリクス

― 新幹線内 ―

 心配するな、今日の服も良く似合う。

[彼女の目前に位置する座席に長躯を沈め、双腕を胸前で組みながら瞼を下ろしていた男は、乗り出した身を即座に戻した妹へと、唐突に口を開いた。>>133
 彼女の私服も制服も見慣れたものであるが、ゆっくりと開いた瞳には一片の嘘偽りもない。]

 但し、逸れ易いことには代わりは無い。
 向こうではくれぐれも俺の傍から離れるなよ、琉璃。

 ―――…琉璃、聞いているのか?

[引率の教師に従えだとか、集団の輪を乱すなだとか、回りくどい言葉を選ばず、竹を割ったように行き過ぎた過保護を示して声を続ける。
傍に同級生が居たとしても、男にとっては極日常的な会話であった。]

(136) 2014/10/17(Fri) 02:13:39

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