― 早朝 ―
[男を見ても、ヤコブの唇は言葉をつむぎださない>>130。
それほど衝撃が大きかったんだろうな、分かるよ分かる、俺も思わず悲鳴上げちゃったもんと同意しつつ、作業に没頭した。
道具を使えと助言されなかったからだけじゃなく。余裕のなさが読み取れる上に、思いついたこと駄々漏らししているんだろうなって明らかに分かる呟き。そんな人放っておいて、道具探しには行けないだろう普通。]
ああ、そうだな。この寒さじゃな。一晩ですっかり凍ってしまって。
もっと早く呼んでくれれば良かったのに。一人で大変だったろ。お疲れ様。
[合間にうんうん頷きを返す男は、いつもの通り単純で感情的で。だけどその分、他人の気持ちには共感してしまいやすいのだった。]