此れほど物騒な状況を見、聞いても、
恐れながらも気にせずには居られない。
今や国の誰もがラメールの行く末を案じています。
…だというのに。
[ 自ら事を荒立てるような真似をして
指揮官は何を考えているのやらと呟く。 ]
……そう、民と言えば
あなたはラメールを去らないのですね。
吟遊詩人というものは国が傾けば
直ぐに去ってしまう渡り鳥のようなものかと。
[ そうしてふと思い出したように
詩人へ尋ねてみるのだけれど、
何がどう動くかもわからない状況で
悠長に話を続ける間はあったかどうか。** ]