[頭に浮かぶのはペーターの手当てをするオットー。
軍に入るとき家族を失ったと思い、もう二度とそんな存在は手に入れられないと諦めている自分には、その光景はとても眩しく見えた。
だが一方で、思いがけず自分が疑われた経験から、わがままをきっかけに人狼と疑われることを懸念しているかもと考えた。誰もが疑心暗鬼になっている中では、何処に疑惑の種が転がっているか分からない。
そこでこんな言葉をかける。]
そんなに心配しなくても、人には情があるんだ。一緒に暮らして、一緒に飯を食べているだけで、相手を大切に思う気持ちが出てくる。例えお前が何者であっても、だ。
[ペーターがペーターでない可能性は全く考えず。人狼と疑われることと、家族に否定されることは別物だとの思いでペーターを説得した。
お礼を言われると、俺は片付けをするわと宣言して、ペーターから離れて食器類をまとめはじめた。]