そうでなくても、天輪湖の水は大事な水源だし。
あそこは、ボクらフェオリバラム王家にとっても大事な場所だし。
そういう意味でも、何とかしないわけには行かないでしょ。
[真顔で言い募られる言葉に、若者はむう、と唸って腕を組み]
『『虚無』を清める事自体は……姫の神獣角を用いれば、何とかなりましょう。
……その前に、『虚無』とあれが憑いている何かを切り離す必要がありますが』
[ここで一度、言葉を切り]
『……まあ、そこに関しては、私もご協力いたします。
皆様のお手を煩わせたまま、何もしない、というわけには行きませんし』
[そう告げると、若者は幾度目か、大きく息を吐いて]