あなたは……。
[眉をひそめて前に陣取る男を見つめた。
それは、ストラ家のライバルとも言われるような、裏方世界での大物。
カサンドラの力を使って彼の記憶を垣間見、弱点を引きずり出してようやく一歩リードすることができたような人物。
どんな人間にも弱点はあるのだなと思うのだけれど、この男の弱点は意外すぎて忘れられなかった]
「お久しぶりですな、若き当主。こんな所でご一緒するとは。」
[そう声をかけられても、自分はまだ父の跡を継いでいない。継いでいるものは1つだけ。
それを知るものはほとんどいないのだから、彼がかまをかけている可能性を見て無視するに限る。
しかし、相手は自分に話しかけているようでいて視線はカサンドラにしか行っていない]