放っておけばね。[軽い相槌だと云うのに、抱いた腕から力は抜けない。 胸板を重ね合い、仮初の体温を循環させる。 言葉を選ぶ間は、重く、長く。] ―――…だが、私が許さない。 例え、君が、それを、望もうと、だ。[それだけを言えば、また長い空白が置かれる。 ただ、一瞬、ちらと彼を伺ったのは―――、雄弁な色。*]