[そして――]
よし、いってくるぞ!
[まずは竜の眼前よりそれて側面の方向へと走る。]
こっちだ!デカトカゲ!
[腕にはめる大楯が左半身を覆いながら、背から伸びる蔦が右腕を伝う。そして五本ほどの蔦が光の竜の眼前に蠢く。微妙に舞う花粉や、香りが惑わし誘う。
その効果か、ただうっとうしかったのか、光の竜は体をこちらに向けた。射抜くような眼光はどこかまがまがしく。それが竜ではなく虚無というものかもしれないと肌が粟だつ。
横薙ぎに迫る爪に対して、思い切り盾をたたきつけた]
こいつは、重いな…!
[よろめき脚がもつれそうになり、その場にとどまらずに、反動に逆らわずに後ろへと下がった*]