人狼物語−薔薇の下国

389 ルー・ガルー戦記 8 〜海峡攻防戦〜


ウルケル軍大佐 タクマ

『艦長!艦長も甲板へ…』

俺は残る。

『艦長っ!!』

[ 今度こそ副長の声は本物の悲鳴になった。その顔を顧みる事も無く、男は低く呻くような声を絞り出す ]

…これは俺の預かった艦だ、艦と運命を共にするのが艦長の役目だろう。うまくすれば、敵艦の一隻くらいは道連れに出来る。

[ 先の敵艦からの砲撃による衝撃で、壁に叩き付けられた際、肋骨をやられたらしく、脇腹が燃えるように痛む。この状態で退艦しようとすれば、足手纏いになると判っていた ]

死なば諸共…だ。

[ 副長はまだ説得を試みているようだったが、男の耳にはもう届いていなかった。代わりに、昏い決意を秘めて胸に落とした声に、別の声が返った ]

(135) 2015/11/03(Tue) 02:18:01

SWBBS V2.00 Beta 8++ あず/asbntby