お前さ、……
…王府に喧嘩でもふっかけるのか?
[何と言うか考えたが、回りくどい言葉は嫌いで。
ひと気のないのを良い事に尋ねて返した。]
最近、急に…でもないな。
前々から結界の外へ出たりする話はあった。
薄まるどころか、増えてるのは知ってる。
久々に学館に戻ると余計にそう感じた。
[かつての学び舎へ時折戻るのは、休暇を兼ねてもあるが、北にいては見えないものを間近で見る為もある。
貴族の貴の字も知らない幼少期を南で過ごした為、あまり貴族らしくない性格を作った自分へ旧友らの態度は表面上変わらないが、確固とした立場を得てからの対応は、どことなく壁を挟んだようなものに変わっていたのには気づいていた。
なにか隠し事をしている、そんな感じを。]
クロも一枚噛んでるだろう。何すんだ?