[礫が散らばり、足元で跳ねる。自身の右腕は本来姿勢制御と加速に使われるものだが、発露を絞れば先のように弾丸と化す。風精は元より操作難き属。寸裂された壁の向こうには夜が広壮と座している。] ユーリエを見失ったか…。 ――…魔植如きが聖血耐えうるとは思わないが…。[こんな場所で、彼女に過剰な出血を伴わせるのは上手くない。剣を握り直して、一拍。] クレステッド、君はアデルと共に進め。 俺はユーリエを探す。