人狼物語−薔薇の下国

497 堕天の服従試験


邪眼の怪物 クレメンス


 ――― こんにちは、天使様。
 貴方のお噂はかねがね。

[無私に振りまく天使の説教を求める子羊は少なくない。
 迷い、惑い、光を導としたがるは人の性だ。]

 私はこの近くに領地を持つ者、クレメンスと申します。
 此度は貴方に教えを乞いに参りました。

[道中で躯に変えた人の子の肩書を拝借し、息を吐くより滑らかに偽りを語った。手にしたステッキの彫金は、人の貴族が有す家紋が刻まれている。此れも、道すがらの戦利品のひとつ。

 どこか芝居がかった会釈を向けてから、長躯が草を踏む。

 彼に距離を削るほど、豊かな花の香りが強くなる。
 草原からではなく、彼そのものから香るようだ。>>64
 小さく鼻を鳴らし、その傍らへ。]

(135) 2018/03/19(Mon) 20:13:13

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