― 散策中 ―
[こちらの言葉にオズワルド>>114が何を思ったか、確かめもしないままその場を去る。
表情や心を読んだ訳ではない。
ただ、有翼種なら誰もが心に抱くという羨望を、当たり前のように彼も持っているのだろうと思っただけのこと。
思い込みの一言が齎した掛け違い>>115に気付くことも、今はない]
ずるいのよ。
[誰もいない空間向け、ぽつりと呟く]
願いに手を差し伸べてもらえるなんて。
[持てる者の贅沢だと思っても、自らの願いに比べ美しく純粋に見えて腹が立っても。
絶対に叶わぬものだと思っていたから、冷笑混じりに見ていられた。
しかし、試練の果てのたった一人でも、叶える権利が与えられるというのなら]
――許さない。