― 王都陥落の日:王都近郊 ―
[目の前の男が何を考えていたのか知る由もなかったし、目的さえ果たされば興味もなかった。
>>123 ただ、宙を舞う首を見て満足そうに笑む。]
「正しい判断だ、気に入った。」
[首を持った手を一瞥すると、その首級を寄越せとは言わず。]
「是からこの国では、口先だけの正義が消え失せ、
貴様らのような者の行動が正当と肯定される治世となる。
その首を持って城へ出向き、我が同胞ヴェルザンディに会え。」
[そのままダークエルフは踵を返すと、木々の間の闇に消えて行った。
城まで首を運んでくれるだろうという確信があった。
しかしもし持ってこなければ―――殺して奪いに行けばいいだけのことだ。]