[笛を吹きながら、そこかしこで交わされるさざめきのような会話にも耳を傾ける。それらを邪魔しないように曲調を合わせられるように。そうしていれば、タクマとルートヴィヒの会話もまた自ずと耳に入る。>>132 >>133そういえば、彼らは幼馴染だと聞いたことがあった。その仲の良さそうな様子に内心笑みが零れる。そこで自分はと省みれば、一転気分が落ち込む。本当に、一瞬、微かに笛の音が乱れたが、無理やり気分をあげて奏で終える。けれど、耳の良い人には気付かれてしまったかもしれない。]