― 彷徨う背を追って ―[つい先程まで戦いの轟音が多く響いていた城は、今は沈黙に包まれている。途切れた命、生きている魂、いくつもの気配を感じるけれど、その中でも二つ、色濃いものがあった。一つは赤。鼓動は力強く、一度死したとは思いもしない程だ。少し前にリエヴル>>126へかけた言葉を思い出して、眉間に皺を寄せながら口角をあげるという、何とも不思議な表情を浮かべた。一つは青。鼓動はなく、死の匂いを強く纏っている。更にリエヴルとの会話を思い出して、表情は苦々しいものに変わった。]