[指先に触れた逆鱗と、告げられた真名と、そして目に映る赤い顔。
全てが愛おしくてその柔らかな身体をそっと抱き締めた。]
…俺には何もねぇから、あげられるモノなんて俺自身しかないんだけど。
だから俺自身にかけて誓う、誰にも言わない。
[真顔で言うも、ほんのりと耳は赤く染まっていて。
腕の中にいるアリーセには見えないだろう事に感謝していた。
このまま二人、どこかへ逃亡したい。
そんな衝動もないではなかったが、アリーセの意思を尊重したい気持ちもあって。
複雑な気持ちを抱えたまま、やがて目的地へと辿り着くだろう*]