-第二閲覧室・バグ勝利時-
[目の前で終わった出来事に男の願望は満たされていた。
星の夢に落ち、自らが陥れた相手に懺悔することでもう大丈夫だと思おうとしていたがもうそんなことも思わなくていいようだった]
これじゃあ、セルウィンには許してもらえそうにないな。
[苦笑しつつも内心嬉しくて仕方がない。
これから歴史は書き換えられ、バグが蔓延するだろう。
――そう、このバベルの名を持つ図書館のシステム自体も書き換えられるかもしれない]
俺はそれでいいと思ったんだ。
裏切ろうと後悔はないよ。
[男は見つめる先に優しく語りかけるように言葉を投げる。
届かなくても問題ない。だってすぐに――]
チャールズ先生、お迎えですか?
[何処からともなく声がした気がして、恩師の名前を呼んでみる。
すると、視界がだんだんとホワイトアウトしていった]