『まぁ、そうじゃの。
魔法は万能ではないからのぅ』
[試練に合格し、魔女になったとしても、どうにもできない現実はある。
噛みしめるように言う“蛇”に、セルウィンは緩く目を伏せた。
唇を噛んで、やり場のない気持ちを押し殺す]
……コンラート、貴方はどうしたいですか?
[ややおいて、問うのはこの試練に対する彼の意思だ]
他者を踏み躙ってでも合格したいと、本当にそう思えますか?
[思えば、彼はセルウィンとは違い、積極的に誰かを攻撃しようとはしていなかった。
彼にとって、試練の合格は、歪な形とはいえ存在している彼自身の妹を殺害する事にも繋がる]