― 起こりうる現象の予測 ―
[ガートルードがここへきたとき、誰がその場に残っていただろう。
少なくとも、テオドールはエディの隣から動こうとはしなかった。
だから、ガートルードがエディのことを済ませたあと、テオドールを探す必要性は一つもなかっただろう。
エディを置いて、一体どこへ行こうと言うのだろう。
小さな黙祷を捧げるガートルードの姿>>121をテオドールは横目で黙って見ていた。
彼女の呟き>>121も、黙って聞いていた。]
――ストレッチャーじゃなきゃダメか。
[黙っていたけれど。ガートルードに許可を求められたら>>122、テオドールはぼそりとそう言って。だけど、すぐに「いや、いい。なんでもない。」と言って、スノウへの手配を促しただろう。
エディの移動はしてやりたかったから。いつまでも、ここで一人は可哀想で。
ぽっかり空いた胸の穴を、じっと見つめる。
エディの心臓を食った人狼を見つけても、残念ながらテオドールは仇だなんだと騒ぎ立てるつもりはない。ただ、道を塞いだ岩をどけるだけだ。
薄情だと言われようがなんだろうが、構わない。
仇討ちしても、死んだ者は還らない。]