― アレイゼル領 ―
[休息を挟んでの旅程、そのためにオプティモ出発からは少なくとも一日以上が経過していた。
シメオンは馬から降り、手綱を引きながら街の中へと足を踏み入れる。
ピリピリとした緊張感を感じる中、警邏中の兵に不審者として呼び止められた]
随分と気が張ってんだな。
俺は遠方マチュザレム共和国より訪れた使者の一人、シメオン・オリオール。
アレイゼル領主に取次ぎを願いたい。
[兵に囲まれながらも表情一つ変えず、領主への取次ぎを願う。
囲んでいた兵の一人が伝達役となり、屋敷のある方へと駆けて行った*]