[倒れた樹木の先、拓けた部分を見遣れば、見知った姿がそこにはあった]ハッ、誰かと思えばお前か、ロヴィン・ブルバード。[ドロシーから聞いていた名前を口にし、部下より一歩前に出る]てめぇら下がれ。アイツは俺が殺《や》る。[口端を持ち上げ、迸る殺気を隠すことなく立ち上らせた]デメララへ向かう道を確保してこい。偵察も忘れんなよ。[下がらせた部下には別の指示を出し、来た道を戻らせる。いくらか残った部下と兵は、樹木の下敷きになった兵達の救出へと行動を転じていた]