私の迂闊で、御心配をかけたことはお詫びします。[ こちらが無茶を通した時に、案じた分だけ激昂するのは、北部師団長も同じだ。あの人が、この黒衣の剣士の正体を知りながら屈託を持つのは、存外同族嫌悪に近い気持ちなのかもしれないと、思い至る。 ]ですが、アレに一人で近づこうとされた守護者殿も大概ですよ。偵察だとしても、皆に声をかけるなりしてからにしてください。[ 自分も彼を案じたのだ、と、口にする代わりに文句をつけてしまうあたり、男自身も同族のうちだろうけれど。 ]