[ぐったりと我が身に凭れる彼の消失が、まだ緩やかであるのは、彼を繋ぐ楔が所以だろう。下肢から絶えず熱を昇らせ、魔力を孕ませる。 所詮、対処療法でしかないが、彼の意識が浮上すれば、口元を僅かに緩めた。] 此処にいるよ。[返すのは短くも明確な声。>>122 ほんの少し込めた柔さは、彼にのみ許された真の音程。 彼の身を抱え直すように抱き寄せても、調整を間違えれば身体を腕がすり抜けそうだった。]