うん、落ち着いているね。
いいと思うよ。……街の騒動の鎮静化、立派な仕事だわ。
手が足りなくなったら、白狼騎士団も駆り出されるのかしらね。
[今は待機の任についている我々だが、総督の号令一つでいかようにも動ける準備は整っているよ、と。苦笑を浮かべる様子が不安そうに見えたから、少し誇張を込めて言葉を重ねた。そして、改めて問われた内容は、どこか精神論について尋ねられた気がして。>>131]
何を基準に正しいとするかによるわね。
[と、前置いてから、少し頭を揺らして思考する。束ねた髪の先を、穂のように左右に揺らしてから、]
正しいの基準は、それぞれの立場によって解釈が異なるものよ。
互いの視点から見れば、それぞれが正しい。
だから、衝突する……今回のように。
[空の玉座の前で、二人の王子の主張がぶつかった。
それぞれを支援する立場の者からすれば、自分が持つ”正しい”に基づいている。国同士の争いも、それが根幹にあると思っている]
正しくないと思うなら、携わらない勇気を持つ事ね。
貫きたいなら、正しいと信じる事。迷いを抱えたままでは、何も成し遂げられないよ。
[わたしのこうした意見は、この純真無垢な後輩にどう響いただろうか。*]