― 昨夜回想・宿屋二階廊下 ―[ヤコブの指が額に触れた。もし、前髪をかきあげられでもしたら、瞳が潤んでいるのがバレてしまうかもしれない。]ヤコブ…ありがとっ![それを隠したかったのがちょっと。挽回できるって言われて嬉しかったのが大分。本当は抱きしめたい所だったけど、お菓子の山が邪魔して腕を回せなかったので、ヤコブの肩口に突っ込んで、頭をぐりぐり押し付けた。ヤコブはいつも、さり気なく、導いてくれる。だから、それを知っているから、素直に言う事も聞けるのだ*]