─ 回想 ─
[>>103その人から向けられた、快活な笑み。
たしか兄と同い年だとは聞いたことがある、その世代の男の子からこんな笑顔向けられたこともなければ、すごいなんて言葉を向けられたことも無くて。
>>104変だとも思わないと返してくれたのも、何もかもが初めてだったから。
驚きと、現実だと受け止め切れない戸惑いとの中。
それでもこの人ならきっと、手合わせも嫌がらないでくれるんじゃないかと思って紡いだお願いも、>>105断らないで受けてくれて。
嬉しいのに言葉が出せない程泣いてしまったのは、いろんな感情がキャパオーバーしてしまったから]
ち、ちが、ごめ、ごめん、な、さ…っ
うれ、し、ぃ、のに、とま、ん、ない…の…っ
[突然泣き出した私に向けられた声が慌てているのは当然だろうと思ったけれど、すぐに泣き止めるほど私も器用ではなくて。
結局、何分もかかって泣き止むまで、その人も私と一緒にいてくれて]