[やがて曲が終わる。次も映画の曲を、古い作品に興味がある者なら誰でも知っているような、とある巨匠の名曲を続けようかと思ったのだけれど。] くっそ、気持ち悪りィ……[演奏を止めた。二日酔いの薬? 買いません絶対に嫌だ。注射とか、医者とか、薬とか、そういうのは御免蒙る。この体に溜まった、色々と悪そうな成分をしゃきっと分解してくれるような文明の利器も、探せばあるのかもしれない。いや、あるだろう。フロントに預けたコートが、あっという間に仕上がって来たときのように。]