[>>121力いっぱいマリエッタに抱き締められると、胸の奥から込み上げてくる歓びで、反射的に瞳に涙が滲んだ。
同じように力いっぱい抱きしめ返し、桃色の髪を梳く。
柔らかく温かな精気が、確かに自分の中へと流れ込んで来るのを感じた。
彼女の意志を認めて>>104ウェルシュに教えを乞い、
口づけを受ければ、うっとりと瞼を閉じた。
真紅の雫を彼から受け取ると、唇を閉じたまま、彼の瞳を真っすぐ見つめ、こくりと頷いて。
「ありがとう」の言葉の代わりに、彼の胸に頭を擦りつけた]
(少し、辛いかもしれないけれど…
我慢、してね)
[マリエッタの頬をやんわり両手で包み込み、その愛らしい唇にそっと口づけ。口内のカクテルを全て、彼女の中へと流し込む。
とろけそうに甘いその味に再び眩暈を覚えながら、雫が一滴も零れ落ちないように、そのまま深く口を塞いだ。
彼女の身体が拒否しなければ、彼女は自分と同じ、人ならざるものへと変化を遂げるだろう]