―Florence―
[店に着くと、迎えてくれたのはジョニーだったた。>>109>>110]
久しぶりだなジョニー。
お前少し頭薄くなったんじゃないか? 大丈夫か?
[いけめんドロイドの変わらぬ物言いに、
此方も変わらぬ物言いで頭を撫でてやろう。
最初はこんなこと言わなかったのに、ドロイドも優秀なものだ。
783日という日数を聞き、こんなに長く顔を出していなかったのかと
過去を振り返る。
前回搭乗時に顔を出せば良かった、と過去を懐かしんでいると、
カサンドラが一瞬顔を出す。
店の仕事が片付いていないのだろうか、店先のテーブルで待つことに。
ああ、気にするな。
それよりも焦って割ったりするなよ?
[過去もこうして待っていたことがあったと思い出す。
ジャスミン茶の香りも、かつてと変わらぬ銘柄のものだろう。
割るな、と言ったのも過去に手を滑らせ、誤って
来客用のカップを割り、弁償したことを思い出したから。
割っても大丈夫なように、予備にと2セット渡したのだったか。
……数年前のことなのに、随分と長く感じられる。]