[対峙している口から"その名"が出れば、ああそうか。とぼんやりと納得する。
…失念していた。――…ニコラスが、エルナに好意を寄せていたのは…分かっていたはず、だったのに。
どういう方法で死の際の幼馴染がそれをエルナへと伝えたかはわからないが、ともすれば識っているのだろう。男が、人ならざる存在であるということを。]
――……さあなァ。
それで、アンタは――俺を、
[怯む様子のないエルナへと進むのは…一歩。]
殺しに来たってワケ?
[二歩。近付けば、シモンへ秘したナイフをエルナへと向け、返す言葉のうちに窓の外のこと>>127なんて意識の外に出てしまった。]