[業火が体に届く寸前、
月白色の翼が現れ、炎を断ち割ったのだ。
自ずから天の子を救うべく現れた護りの力は、業火の間に命繋ぐだけの間隙を作り出していた。
同じく自ずから輝いた右手の宝玉からは光の天使が操ると同じ光の槍が現れ、害為さんとしたものへと放たれる。
影の加護があってもなお熱気は服を焦がし肌を焼いたが、握りしめた首飾りの温かさが、立ち上がる力を与えてくれた。]
たとえ灰となって砕けても、私はあなたを求めます。
[なお詠唱を続けようとする意地が、箱舟の第二の奇跡を呼び覚まそうとしていた。]