[彼女がおとなしくなるまで、暫くそうして唇を重ねていただろうか。
やがて、頃合を見計らってそっと顔を離すと]
よし、いい子になったな。
それじゃ戻るぞ。
[早口にそういうと彼女を抱き上げる。
なるべく平静を装うとしているものの、流石に人前で自分がしたことに気恥ずかしさを感じてか
髪のあいだから見える耳は真っ赤に染まっている。
……なんというか。勢いでやったものの、社会的な死は免れないような気がする。うん]
[手渡した飴を大事そうに手に持ちながら、ピコピコと耳を揺らす彼女を手に宿屋へと向かった**]