ダーフィト。
[それから1年後のこと。
そうして改まった声で彼を呼び止めたのは、軍を辞めて傭兵になった後にダーフィトが再び王都にやってきた時だった。
理由はあかさず、軍を辞めた旨だけを彼に伝えて]
お前に頼みたいことがあるんだが。
俺を、ラモーラルの州都に連れて行って案内してくれないか?
改めて考えてみると、俺はオクタヴィアスが手を差し伸べたいと思っているラモーラルの民を、それからその土地のことも何も知らない。
知らないままで、オクタヴィアスの意見に賛同するってのも、考えてみたら変な話だ。
だから、俺も同じように、この目でラモーラルを見てみたい。
[王都ですら、自由自在に動き回れるダーフィトのことだ。
州都を案内してもらうには最適な人物のように思えた**]