── 回想:子供のころ ──
[ それは10歳頃のこと。
ナネッテには 兄 がいた。
自らの半身、双子の兄弟。
ギムレー星系『ウルズ』星。
別名"双子の星"と呼ばれるその星は、小規模な閉鎖的な星。
平均寿命300年、20歳から途端に細胞の分裂が緩やかになる特異的な種族のみが住まう星。
また、古くから「星詠み」の文化を主流とし、その「力」のみで政治的権力争いに食い込んでいる星でもあった。
星としての性質を有しているのも、アースガルドに植民地化されていないのも、その種族特有の力のおかげであるが。
そのために"星詠み第一主義"で、選民意識が高く。
アースガルドの悪い部分を諸に受けているのかもしれなかった。
そんなこと、─── 子供のころは気づきもしなかったけれど。 ]